2020年09月12日

日本救急医学会・日本集中治療医学会合同のCOVID-19薬物療法ガイドライン

 日本救急医学会と日本集中治療医学会合同の、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の薬物療法に特化したガイドラインが、両学会の公式サイトで公表された。
GRADEシステムの迅速作成かつ随時更新するRapid/living recommendationを前提としており、COVID-19流行が収束するまで最新の知見に基づき随時更新予定

今回は、厚生労働省が推奨薬に追加したファビピラビルを含む5剤について、クリニカルクエスチョン(CQ)と推奨文などが初めて示された。

推奨の適用は軽症〜重症の全患者
 対象は成人のCOVID-19患者で、
 自宅、ホテルなどの医療機関外で療養加療中の軽症患者
 酸素投与または入院加療を要する中等症患者
 集中治療管理を要する重症患者

 2020年7月31日時点のエビデンスに基づいて、薬物療法の確実性や推奨の強さを決定するGRADEシステムを使用
CQ1. COVID-19患者にファビピラビルを投与するか?
  ファビピラビル(商品名アビガン):
  中等〜重症には推奨提示せず「現時点では推奨を提示しない」

CQ2. COVID-19患者にレムデシビルを投与するか?
  レムデシビル(商品名ベクルリー)
  軽症には推奨提示せず、中等〜重症には投与を「弱く推奨」

 中等症患者および重症患者における同薬のランダム化比較試験(RCT)2報によると、14 日全死亡は1,000人当たり30人の減少、28 日全死亡は12人増加し絶対効果に一貫性がなかった。しかし、有害事象発現を増大させることなく臨床症状の改善が見込まれた。
 
CQ3. COVID-19患者にヒドロキシクロロキンを投与するか?
  ヒドロキシクロロキン〔商品名プラケニル)
  重症度に関わらず全ての患者に「投与しないことを強く推奨」

CQ4. COVID-19患者にステロイドを投与するか?
  デキサメタゾン:
  軽症患者には「投与しないことを強く推奨」、
  中等〜重症には「投与を強く推奨」

  但し、現時点では COVID-19患者に最適なステロイドの種類、投与量に関して薬剤同士を直接比較した研究は存在しない。
 ステロイドには免疫応答を緩和する作用が期待されている

CQ5. COVID-19患者にトシリズマブを投与するか?
  トシリズマブ(商品名アクテムラ)
  「現時点では推奨を提示しない」


posted by 管理人 at 13:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 感染症