2021年08月21日

日本版敗血症診療ガイドライン2020(J-SSCG2020)特別編 COVID-19薬物療法に関するRapid/Living recommendations 第3.2版

7月12日にガイドライン改訂版が発表されました。
初版にはまだなかった治療薬についての情報が追加
されていますが、この改訂版の発表後に特例承認さ
れた抗体カクテル剤についてはまだ記載ありません。
太字の 
  赤字は投与する、
  青字は投与しない、
  黒字は現時点での推奨を提示しない、
提言です

推奨の適用は軽症〜重症の全患者
 対象は成人のCOVID-19患者で、
 自宅、ホテルなどの医療機関外で療養加療中の
   軽症患者
 酸素投与または入院加療を要する
   中等症患者
 集中治療管理を要する
   重症患者

CQ1. COVID-19患者にファビピラビルを投与するか?
  ファビピラビル(商品名アビガン):
 大丸1 酸素投与を必要としない軽症患者にファビピラビルの投与を弱く推奨 する(弱い推奨/低の確実性のエビデンス:GRADE 2C)
 大丸1 酸素投与/入院加療を必要とする中等症患者、ならびに人工呼吸器管 理/集中治療を必要とする重症患者に対するファビピラビルの投与に ついては、現時点では推奨を提示しない(no recommendation)

CQ2. COVID-19患者にレムデシビルを投与するか?
  レムデシビル(商品名ベクルリー)
 大丸1 酸素投与を必要としない軽症患者に対するレムデシビルの投与については、現時点では推奨を提示しない(no recommendation)
 大丸1 酸素投与/入院加療を必要とする中等症患者にレムデシビルの投与を弱く推奨する(弱い推奨/中の確実性のエビデンス:GRADE 2B)
 大丸1 人工呼吸器管理/集中治療を必要とする重症患者にレムデシビルを投与しないことを弱く推奨する(弱い推奨/中の確実性のエビデンス:GRADE 2B)
 
CQ3. COVID-19患者にヒドロキシクロロキンを投与するか?
  ヒドロキシクロロキン〔商品名プラケニル)
 大丸1 すべての重症度の COVID-19 患者にハイドロキシクロロキンを投与しないことを強く推奨する(強い推奨/中の確実性のエビデンス: GRADE 1B)

CQ4. COVID-19患者にステロイドを投与するか?
  デキサメタゾン:
 大丸1 酸素投与を必要としない軽症患者にステロイドを投与しないことを強く推奨する(強い推奨/中の確実性のエビデンス:GRADE 1B)
 大丸1 酸素投与/入院加療を必要とする中等症患者にステロイドを投与することを強く推奨する(強い推奨/中の確実性のエビデンス:GRADE 1B)
 大丸1 人工呼吸器管理/集中治療を必要とする重症患者にステロイドを投与することを強く推奨する(強い推奨/高の確実性のエビデンス:GRADE 1A)
 注 1:COVID-19 患者に対して用いる最適なステロイドの種類ならびに 投与量を決断するための直接比較研究が報告されているが、現時点で は、推奨を提示するにはエビデンスが不十分である。
注 2:ステロイドパルス療法は含まない

CQ-4-2 中等症/重症 COVID-19 患者にステロイドパルス療法を行うか?
 大丸1  酸素投与/入院加療を必要とする中等症患者、ならびに人工呼吸器 管理/集中治療を必要とする重症患者に対するステロイドパルス療 法については、現時点では推奨を提示しない(no recommendation)

CQ5. COVID-19患者にトシリズマブを投与するか?
  トシリズマブ(商品名アクテムラ)
 大丸1 酸素投与を必要としない軽症患者に対するトシリズマブの投与については、現時点では推奨を提示しない(no recommendation)
 大丸1  酸素投与/入院加療を必要とする中等症患者にトシリズマブの投与を弱く推奨する(弱い推奨/中の確実性のエビデンス:GRADE 2B)
 大丸1 人工呼吸器管理/集中治療を必要とする重症患者に対するトシリズマブの投与については、現時点では推奨を提示しない(no recommendation)

CQ-6 COVID-19 患者にシクレソニドを投与するか?
   シクレソニド(商品名オルベスコ )
 大丸1  すべての重症度の COVID-19 患者に対するシクレソニドの投与につい ては、現時点では推奨を提示しない(no recommendation)


CQ-7 COVID-19 患者に抗凝固療法を行うか?
大丸1  酸素投与を必要としない軽症患者に対する抗凝固療法については、現時点では推奨を提示しない(no recommendation)
 大丸1  酸素投与/入院加療を必要とする中等症患者、ならびに人工呼吸器管 理/集中治療を必要とする重症患者に抗凝固療法を行うことを弱く推奨 する(弱い推奨/低の確実性のエビデンス:GRADE 2C)
 注:現時点では COVID-19 患者に対して用いる最適な抗凝固薬の種類ならびに投与量を決断するための十分なエビデンスはない。また、重症患者の みを対象とした研究が少なく、中等症と重症を区別した推奨はできない。


CQ-8 COVID-19 患者にバリシチニブを投与するか?
   バリシチニブ(商品名オルミエント)
 大丸1 酸素投与/入院加療を必要としない軽症患者に対するバリシチニブの 投与については、現時点では推奨を提示しない(no recommendation)
 大丸1 酸素投与/入院加療を必要とする中等症患者にバリシチニブを投与することを、弱く推奨する(弱い推奨/低の確実性のエビデンス: GRADE 2C)
 大丸1 人工呼吸器管理/集中治療を必要とする重症患者に対するバリシチニ ブの投与については現時点では推奨を提示しない(no recommendation)


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2020年11月06日

日本救急医学会・日本集中治療医学会合同のCOVID-19薬物療法ガイドライン v2

ガイドラインに修正が加えられました。
トシリズマブについての推奨度が記載されました。

CQ-5 COVID-19 患者にトシリズマブを投与するか?

推奨
◯ 酸素投与を必要としない軽症患者に対するトシリズマブの投与につい
ては、現時点では推奨を提示しない(no recommendation)

◯ 酸素投与/入院加療を必要とする中等症患者にトシリズマブの投与を
弱く推奨する(弱い推奨/低の確実性のエビデンス:GRADE 2C)
◯ 人工呼吸器管理/集中治療を必要とする重症患者に対するトシリズマ
ブの投与については、現時点では推奨を提示しない(no recommendation)




posted by 管理人 at 23:28| Comment(0) | 感染症

2020年09月12日

日本救急医学会・日本集中治療医学会合同のCOVID-19薬物療法ガイドライン

 日本救急医学会と日本集中治療医学会合同の、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の薬物療法に特化したガイドラインが、両学会の公式サイトで公表された。
GRADEシステムの迅速作成かつ随時更新するRapid/living recommendationを前提としており、COVID-19流行が収束するまで最新の知見に基づき随時更新予定

今回は、厚生労働省が推奨薬に追加したファビピラビルを含む5剤について、クリニカルクエスチョン(CQ)と推奨文などが初めて示された。

推奨の適用は軽症〜重症の全患者
 対象は成人のCOVID-19患者で、
 自宅、ホテルなどの医療機関外で療養加療中の軽症患者
 酸素投与または入院加療を要する中等症患者
 集中治療管理を要する重症患者

 2020年7月31日時点のエビデンスに基づいて、薬物療法の確実性や推奨の強さを決定するGRADEシステムを使用
CQ1. COVID-19患者にファビピラビルを投与するか?
  ファビピラビル(商品名アビガン):
  中等〜重症には推奨提示せず「現時点では推奨を提示しない」

CQ2. COVID-19患者にレムデシビルを投与するか?
  レムデシビル(商品名ベクルリー)
  軽症には推奨提示せず、中等〜重症には投与を「弱く推奨」

 中等症患者および重症患者における同薬のランダム化比較試験(RCT)2報によると、14 日全死亡は1,000人当たり30人の減少、28 日全死亡は12人増加し絶対効果に一貫性がなかった。しかし、有害事象発現を増大させることなく臨床症状の改善が見込まれた。
 
CQ3. COVID-19患者にヒドロキシクロロキンを投与するか?
  ヒドロキシクロロキン〔商品名プラケニル)
  重症度に関わらず全ての患者に「投与しないことを強く推奨」

CQ4. COVID-19患者にステロイドを投与するか?
  デキサメタゾン:
  軽症患者には「投与しないことを強く推奨」、
  中等〜重症には「投与を強く推奨」

  但し、現時点では COVID-19患者に最適なステロイドの種類、投与量に関して薬剤同士を直接比較した研究は存在しない。
 ステロイドには免疫応答を緩和する作用が期待されている

CQ5. COVID-19患者にトシリズマブを投与するか?
  トシリズマブ(商品名アクテムラ)
  「現時点では推奨を提示しない」


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